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コンバットギターズの日記

コンバットギターズの毎日

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  • 05/01/18:48

ネック反りのアレコレその1

さてさて、楽器のトラブルで最も多いのは?と聞かれれば”ネックの反り”でしょうね。
何でネックの反りが起こるのか?と聞かれれが水分の出入り云々でしょう。

これは皆さん良くご存知だと思います。
では木材が水分を吸ったり吐いたりすると何故ネックが反るのか?

これをキチンと説明できる人!
ウチで営業やりませんか?(笑)

案外漠然と水分が出入りする事によってネックが動く!と言う解釈で終わっているのではないでしょうか?
これをキチンと説明するにはネックの構造を理解していなければなりません。

逆の言い方をすればネック反りをキチンと理解すればネックの構造まで解ってしまうのです。
お役立ちなので是非読んで下さいね~すっごく長くなるけどね(笑)

e78add41.jpegで、解り易いように画像を用意しました~ネックをセンター部分で切断した写真です。

上から見るとこんな感じ。

a4f525b1.jpegで、切断面を横から見ればこんな感じ!
写真からも解るようにトラスロッドはネックの中に弧を描いて納まっています。

ネック内に溝を掘って埋め込んでいるのですが、溝を掘る際にアーチを付けて溝堀、でトラスロッドを埋め込んで埋め木をし仕込が完了!

埋め木をする際のチカラ加減が非常に重要で負荷の掛け方を間違えるとロッドの効きが悪くなります。
まぁここの詳細は”企業秘密”(笑)

実際、メーカーによって溝の深さも様々ですしアーチ加減も様々!
写真は昔の入れ方なので弊社でも現在は違う入れ方になっていますが、まぁ基本的な入れ方なのでほぼ同じ感じと思って下さい♪

ごめんなさい・・・ちょっと時間がないので今日はここまで!
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保管時に弦を緩めるか否か?5

>だから簡単に割れちゃうのですよ、”もろい”と言う表現が良いかもね。

そう、割れてしまうのです!
弦を張っているとサドルに斜め前方への負荷が掛かります。

アコースティックギターのブリッジを見るとサドルを取り付ける溝が彫ってあり、そこに牛骨製やプラスチック製のサドルがはめ込んであります。

この溝はブリッジのかなり前方に掘ってある為に溝前方の木が薄く強度が弱いためにパックリと口を開けてしまうことが有るのです!

注意が必要ですな。
と、まぁ皆さん弦の負荷が掛かる=ネックと考えがちですが実は張力によって起こり得る不具合はネックよりむしろボディー他の方が多かったりするのですわ。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

さてさて、続いては「”同じ調整幅”では無くあえて”順逆共に適度な”と記載」に関してです。
この件に関しては後日ネック反りの仕組みを書く際に写真付きで詳しく話しますね、これ写真が無いとハッキリ言って判り辛いです。

と言う事で今回は簡単な説明にしておきますので”そうなんだ~”程度に理解しておいて下さい。
結論は順反りの方が調整幅が大きいです。

最近は順逆両対応のトラスロッドもあり一部のメーカーで採用されておりまして、この方式であれば関係無い話なのですが現在のところ増えたとは言え依然従来の片効きのトラスロッドが主流となっています。

両効きトラスロッドに関しても後日お話しますのでその時をお楽しみに♪

と、言うことで従来のトラスロッドに関して。
”片効き”は順反り修正時は負荷が掛かり、逆反り修正時には負荷を緩める事によって調整する仕組みになっています。

そこで調整幅に関するポイントは”トラスロッドのねじ切りの長さ”であります。
トラスロッドの調整はロッドに取り付けてある金属製の”ナット”を締め込んだり緩めたりして調整し、この稼動幅=調整幅となっています。

このナットはドライバーやレンチで調整できるようになっているキャップみたいな物なのですが、おおよそこのナットを前後同じ位稼動できる位置まで締め込んだ状態で弦の負荷が掛かった際真っ直ぐになるようネックを製作します。

じゃあ”同じ調整幅”じゃん!とか思うでしょ?(笑)
そうなんです、ナットだけを見れば順逆同じ調整幅です。

ナットねじ切りの長さを2としましょう。
と言う事は締め込む方向に1、緩める方向に1動きます。

ただしこれはトラスロッドのねじ切りも長さが2の場合です、それなら確かに同じ調整幅です。
真っ直ぐの状態でナットは1のポイントまで締めて有ります、トラスロッドのネジ切りが2であればロッドの先端はナットの中に1入っている状態です。

すると、ナットのネジ切りの余りは1、ロッドのねじ切りの余りも1となります。
この状態であればナットは緩める方向に1動かせ、締め込む方向にも1動かせますので調整幅同じですな。

しかし、ナットのねじ切り長は2でもトラスロッドのねじ切長が3有った場合はどうでしょう?
ナットのねじ切りを同様に締め込む方向に1、緩める方向に1動くところまで締め込みます。

前記のパターンではトラスロッドのねじ切りも2であった為に中に1入ると残りは1でしたが今回はロッドのネジ切長が3ですからナットの中に1入ると残りは2です。

この状態からナット稼動幅目一杯締め込んだ状態でもトラスロッドのネジ切は1余った状態です。
この時点ではナットのネジ切に余りが無い為、トラスロッドのネジ切りが余っていたとしても当然これ以上締め込む事は出来ませんので調整幅は同じとなってしまいます。

でもこの余ったネジ切使わないともったいないので使いたい!
そこで登場するのが”スペーサー”です。

トラスロッドネジ切の径よりも大きい穴が開いたスペーサーを挟むとスペーサーの厚み分ナットが延長されたのと同じ事となりその厚み分更に締め込む事が出来るのです♪

つまり、ナットのネジ切は順1逆1ですがスペーサー1を挟む事によって順2逆1となるのです。
ちなみに逆方向は目一杯緩めると外れてしまう為に延長する事は出来ません。

じゃあはじめからスペーサー入れて順1.5逆1.5で作れば良いじゃんって事もありますが、基本的にスペーサーを挟む事自体飛び道具であり、大切なのは順1逆1でキチンと調整出来るように作る事でしょう。

無理に締め込めば締め込む程木部に掛かる負担が大きくナットが当たる木部が潰れたり割れたりしますので本来であれば出来るだけ負荷を掛けないのが一番ですな。

と言う事で万が一の場合逆反りよりも順反りの方が調製幅が大きい!つまり酷い反り方をしても対処方法があると言う事で反らせるなら順反りに!

と言う事は弦を緩めるか否かの結論は?

1:ネックには弦の張力と同じだけの負荷が張力とは反対方向へ常に掛かっている為に緩める事によって逆反りを起こす危険性が高まる。

2:ネック反りの調製は順反りの方が調製幅が大きく反るなら順反りが有り難い。

3:ソリッドボディーの場合一部例外を除き張力にブリッジやボディーが負けてしまう事は少ない。

4:アコースティックギター等はブリッジが張力に負け破損する危険がある。

5:アコースティックギターは張力によってボディーが負け変形を起こす危険がある。

基本的にはエレキは緩めず!アコギは1音程度緩めると言った感じでしょう。

ただし、楽器によって個体差がありますし、アコギなどはスチール弦を張るにもかかわらずナイロン弦用のブレーシングを採用しているメーカーもあるので様子を見ながら加減して下さいね。

保管時に弦を緩めるか否か?4

>それは何かと言うとアコースティックギターやフルアコ等なのです!
そうそう、アコギ等は弦を緩めないといかんのです。

まず、フルアコやフォークギターはエレキギターのように無垢の材料ではありません、これは皆さん良くご存知ですよね。

例えばホローボディーのエレキギター、代表として弊社WARMを例に挙げるとセンターブロックが入っている上にトップ材は最も厚い部分で15ミリ!フラットトップでもエレキの場合5ミリ厚位はあり基本センターブロックが入っています。

が、アコギはトップの厚みが2ミリ程度と薄い上、センターブロックは当然無し!
しかも材料がスプルースほか柔らかい材料を使用しているのですよ、これは危険でしょ(汗)

まぁ変形を防ぐ為に”ブレーシング(チカラ木)”と言う細長い木を家の”梁”のようにトップ材やバック材に貼り付けているのですが常に張力が掛かっているとブリッジ付近のトップの変形へと発展するのです。

ブレーシングは剝がれないもののブレーシングごと変形しトップが隆起してしまったり、完全に接着が張力に負けブレーシング剝がれを伴うトップ変形を起こしてします。

トップが隆起した場合は基本的に変形を直す手立てはありません。
剝がれていたブレーシングを接着する事により改善はされるものの”完全に元通り”にはならないのです。

もちろん並行してサドルの高さ調整やブリッジ自体を削って低くしたりと有る程度のプレイヤビリティーを確保する事は可能ですが非常に高くつく修理となってしまいますので注意が必要でしょう。

ちなみにフルアコのトップ変形はフォークギター等とは逆で凹みます。
凹むと言うか平らになるというか・・・。

フルアコの場合は弦をテイルピースに取り付けるためブリッジ部分に関して言えば張力の負荷が掛かるのはテイルピースとなります。

この場合、ボディーエンドに固定されている部分である為にトップよりはかなり強度は上ですから変形に繋がる事は無いのですが問題はアーチドトップの上に置いてあるブリッジ部分で下側(ボディー側)に密着させる負荷が掛かるのです。

サドル部分が支点となっている為に弦によって垂直方向へ押し付ける”力”が発生するのです。
ブレーシングの入れ方等はアコギと異なる物のトップの構造が基本的にアコギと同じですからね。

上からトップにブリッジを押し付ければ薄い木材は変形ちゃうよね。

そしてもう一つ、トップ変形とは別にブリッジ剝がれを起こす危険性もあります。
フォークギターのブリッジの両脇に貝等でインレイが入っている物と入っていない物があるのに気がついた方も居ると思います。

これはもちろん飾りなのですが物によっては飾りの為だけでない事もあるのですな。
実は物によっては”ネジの頭隠し”の為にインレイが入っている物があるのですよ。

まぁ基本はトップにブリッジを接着しているだけなのですが、物によっては補強の為にネジが打ってあるのです。

この手の物は比較的ブリッジ剝がれが起こり辛いのですが、そうでない物!
つまり接着だけで留めている物、これは危険です。

特にネックの仕込み角度の関係でサドルが高め(ブリッジから飛び出している部分が長い物)の物はサドルを前に倒す方向に負荷が掛かっているのでブリッジの後ろ側(後方、お尻って言った方が良いかしら)がボディートップから剝がれて浮いてしまうのです。

平面に接着しているだけじゃあ弱いわな(汗)

しかも!フォークギターの場合ボールエンドが当たる部分には補強の板が貼り付けてありますが、それにしても薄い板なのでノリ的にはボールエンドがトップ材にめり込まないようにと補強をしているだけです。

そのためボールエンドがダイレクトに薄い板に当たっているブリッジ付近は変形率が高く、平面が曲面になる訳ですから更にブリッジ剝がれを促進します!

ブリッジが剝がれたり浮いたりした場合、10本預かったら9本はトップ変形やブレーシング剝がれを伴う修理となります。

未だあるのですよ・・・・こんなの読んだらAG使っている人は皆弦緩めるだろうね(笑)
で、本題。

ブリッジが割れます・・・・。
FG等のブリッジはエボニーとかで作られている事が多いのですよ。
エボニーは硬くて高密度!当然丈夫なのですが反面”粘り”が無いのです、だから簡単に割れちゃうのですよ、”もろい”と言う表現が良いかもね。

あっ、お客様が見えたのでここまで。

保管時に弦を緩めるか否か?3

さて!昨日の続き♪
また”ネックだけを捕らえて”と記載したにも理由があるのです。について~。

弦を張りっぱなしでネック以外のどこに問題が起こるのか???
まぁ弦のテンションが掛かる部分を考えれば答えは割と簡単でしょう。

ズバリ”ブリッジ”なのですよ。
さて、ブリッジ部分に常にテンションが掛かるとどう言った不具合が起こりそうか?

サドル!これは問題起きそうも無いですよね。
じゃあどこか??

それはブリッジのスタッドであります。
シンクロであればブリッジの前側6本のネジ、2点支持物(FRT他)であれば2本のスタッド、T,O,Mもスタッド2本!ベースブリッジやハードテイルはプレート自体をBODYに固定しているので関係無し!

ブリッジの裏側からサドルを支点にしてペグ方向へ弦が張ってあるのでテンションは支点部分に集中、ペグ方向へ倒れるように掛かっています。

ボディーの重量にもよりますが軽い物は木材の密度が低い物も多く木が柔らかいので要注意でしょう。
但し、シンクロの場合はネジ6本に負荷が分散されている為にそれ程神経質にならなくても問題は無いでしょう、極端に軽いASHボディー等で無い限り張りっぱなしでOKだと思います。

ではFRTや他の2点支持物はどうか?
これも極端に軽い材料を除くと言う前提になってしまいますが基本”張りっ放し”でOKです。

シンクロよりも支点の数が少ないですが、最近は”アンカー”を打ち込む物が多いので負荷の掛かる部分が太いので張りっ放しOKです。

続いてT,O,M!
これは今までの中で一番スタッド前傾率が高いです。

代表例としてはLPですが基本的にトップ材が”ハードメイプル”なので材料自体が硬いので本来であれば丈夫なのですが、テールピースからサドルへと斜めに弦が通る為、テンションの掛かる方向が非常に前傾し易い向きへとなっています。

しかも、一部を除き非常に細いスタッドである為負荷が1点に集中するので前傾し易い条件が揃っているのですよ。

基本は張りっぱなしで問題無いですがギター自体が軽い場合、一番注意が必要でしょう。
LP以外でトップ材が柔らかい物の場合心配なので極端に緩めるのではなく半音程度下げるだけでもかなり違います。

と、まぁ基本緩めなくてOKの例を挙げましたが絶対に緩めた方が良い物も有るのですよ。
それは何かと言うとアコースティックギターやフルアコ等なのです!

え~ごめんなさい来客があったのでここまで。
続きは明日書きます!

保管時に弦を緩めるか否か?2

で、続き!

ネックを製作する際はロッドの調整幅が丁度良い位置(順逆共に適度な調整幅を確保出来る位置)までトラスロッドを締め込みその状態を基本とします。

この基本状態はネックに対して逆反り方向に負荷を掛けており、基準は逆反り状態で弦を張ると順反り方向に負荷が掛かる為にネックが真っ直ぐになると言う訳です。

要は弦を張った状態は常に順逆両方向への負荷が均衡を保っていると言う事なのですよ。

と、言う事は弦の張力が順反り方向に掛かっていると言う事が順反りの原因だと仮定すれば常に逆反り方向にも負荷が掛かっている以上、弦を緩める事によって逆反り方向への負荷の方が大きくなり”逆反り”の可能性が高くなってしまうと言う事です。

そんな訳ですから”ネックだけを捕らえて”考えれば”弦は緩めないで保管する”が正解なのです!

ところで、トラスロッドの調整幅に関してですが”同じ調整幅”では無くあえて”順逆共に適度な”と記載した理由があるのですが何故だと思います?(笑)

また”ネックだけを捕らえて”と記載したにも理由があるのです。

この二点に関しては明日かな(笑)