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保管時に弦を緩めるか否か?5
>だから簡単に割れちゃうのですよ、”もろい”と言う表現が良いかもね。
そう、割れてしまうのです!
弦を張っているとサドルに斜め前方への負荷が掛かります。
アコースティックギターのブリッジを見るとサドルを取り付ける溝が彫ってあり、そこに牛骨製やプラスチック製のサドルがはめ込んであります。
この溝はブリッジのかなり前方に掘ってある為に溝前方の木が薄く強度が弱いためにパックリと口を開けてしまうことが有るのです!
注意が必要ですな。
と、まぁ皆さん弦の負荷が掛かる=ネックと考えがちですが実は張力によって起こり得る不具合はネックよりむしろボディー他の方が多かったりするのですわ。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
さてさて、続いては「”同じ調整幅”では無くあえて”順逆共に適度な”と記載」に関してです。
この件に関しては後日ネック反りの仕組みを書く際に写真付きで詳しく話しますね、これ写真が無いとハッキリ言って判り辛いです。
と言う事で今回は簡単な説明にしておきますので”そうなんだ~”程度に理解しておいて下さい。
結論は順反りの方が調整幅が大きいです。
最近は順逆両対応のトラスロッドもあり一部のメーカーで採用されておりまして、この方式であれば関係無い話なのですが現在のところ増えたとは言え依然従来の片効きのトラスロッドが主流となっています。
両効きトラスロッドに関しても後日お話しますのでその時をお楽しみに♪
と、言うことで従来のトラスロッドに関して。
”片効き”は順反り修正時は負荷が掛かり、逆反り修正時には負荷を緩める事によって調整する仕組みになっています。
そこで調整幅に関するポイントは”トラスロッドのねじ切りの長さ”であります。
トラスロッドの調整はロッドに取り付けてある金属製の”ナット”を締め込んだり緩めたりして調整し、この稼動幅=調整幅となっています。
このナットはドライバーやレンチで調整できるようになっているキャップみたいな物なのですが、おおよそこのナットを前後同じ位稼動できる位置まで締め込んだ状態で弦の負荷が掛かった際真っ直ぐになるようネックを製作します。
じゃあ”同じ調整幅”じゃん!とか思うでしょ?(笑)
そうなんです、ナットだけを見れば順逆同じ調整幅です。
ナットねじ切りの長さを2としましょう。
と言う事は締め込む方向に1、緩める方向に1動きます。
ただしこれはトラスロッドのねじ切りも長さが2の場合です、それなら確かに同じ調整幅です。
真っ直ぐの状態でナットは1のポイントまで締めて有ります、トラスロッドのネジ切りが2であればロッドの先端はナットの中に1入っている状態です。
すると、ナットのネジ切りの余りは1、ロッドのねじ切りの余りも1となります。
この状態であればナットは緩める方向に1動かせ、締め込む方向にも1動かせますので調整幅同じですな。
しかし、ナットのねじ切り長は2でもトラスロッドのねじ切長が3有った場合はどうでしょう?
ナットのねじ切りを同様に締め込む方向に1、緩める方向に1動くところまで締め込みます。
前記のパターンではトラスロッドのねじ切りも2であった為に中に1入ると残りは1でしたが今回はロッドのネジ切長が3ですからナットの中に1入ると残りは2です。
この状態からナット稼動幅目一杯締め込んだ状態でもトラスロッドのネジ切は1余った状態です。
この時点ではナットのネジ切に余りが無い為、トラスロッドのネジ切りが余っていたとしても当然これ以上締め込む事は出来ませんので調整幅は同じとなってしまいます。
でもこの余ったネジ切使わないともったいないので使いたい!
そこで登場するのが”スペーサー”です。
トラスロッドネジ切の径よりも大きい穴が開いたスペーサーを挟むとスペーサーの厚み分ナットが延長されたのと同じ事となりその厚み分更に締め込む事が出来るのです♪
つまり、ナットのネジ切は順1逆1ですがスペーサー1を挟む事によって順2逆1となるのです。
ちなみに逆方向は目一杯緩めると外れてしまう為に延長する事は出来ません。
じゃあはじめからスペーサー入れて順1.5逆1.5で作れば良いじゃんって事もありますが、基本的にスペーサーを挟む事自体飛び道具であり、大切なのは順1逆1でキチンと調整出来るように作る事でしょう。
無理に締め込めば締め込む程木部に掛かる負担が大きくナットが当たる木部が潰れたり割れたりしますので本来であれば出来るだけ負荷を掛けないのが一番ですな。
と言う事で万が一の場合逆反りよりも順反りの方が調製幅が大きい!つまり酷い反り方をしても対処方法があると言う事で反らせるなら順反りに!
と言う事は弦を緩めるか否かの結論は?
1:ネックには弦の張力と同じだけの負荷が張力とは反対方向へ常に掛かっている為に緩める事によって逆反りを起こす危険性が高まる。
2:ネック反りの調製は順反りの方が調製幅が大きく反るなら順反りが有り難い。
3:ソリッドボディーの場合一部例外を除き張力にブリッジやボディーが負けてしまう事は少ない。
4:アコースティックギター等はブリッジが張力に負け破損する危険がある。
5:アコースティックギターは張力によってボディーが負け変形を起こす危険がある。
基本的にはエレキは緩めず!アコギは1音程度緩めると言った感じでしょう。
ただし、楽器によって個体差がありますし、アコギなどはスチール弦を張るにもかかわらずナイロン弦用のブレーシングを採用しているメーカーもあるので様子を見ながら加減して下さいね。
そう、割れてしまうのです!
弦を張っているとサドルに斜め前方への負荷が掛かります。
アコースティックギターのブリッジを見るとサドルを取り付ける溝が彫ってあり、そこに牛骨製やプラスチック製のサドルがはめ込んであります。
この溝はブリッジのかなり前方に掘ってある為に溝前方の木が薄く強度が弱いためにパックリと口を開けてしまうことが有るのです!
注意が必要ですな。
と、まぁ皆さん弦の負荷が掛かる=ネックと考えがちですが実は張力によって起こり得る不具合はネックよりむしろボディー他の方が多かったりするのですわ。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
さてさて、続いては「”同じ調整幅”では無くあえて”順逆共に適度な”と記載」に関してです。
この件に関しては後日ネック反りの仕組みを書く際に写真付きで詳しく話しますね、これ写真が無いとハッキリ言って判り辛いです。
と言う事で今回は簡単な説明にしておきますので”そうなんだ~”程度に理解しておいて下さい。
結論は順反りの方が調整幅が大きいです。
最近は順逆両対応のトラスロッドもあり一部のメーカーで採用されておりまして、この方式であれば関係無い話なのですが現在のところ増えたとは言え依然従来の片効きのトラスロッドが主流となっています。
両効きトラスロッドに関しても後日お話しますのでその時をお楽しみに♪
と、言うことで従来のトラスロッドに関して。
”片効き”は順反り修正時は負荷が掛かり、逆反り修正時には負荷を緩める事によって調整する仕組みになっています。
そこで調整幅に関するポイントは”トラスロッドのねじ切りの長さ”であります。
トラスロッドの調整はロッドに取り付けてある金属製の”ナット”を締め込んだり緩めたりして調整し、この稼動幅=調整幅となっています。
このナットはドライバーやレンチで調整できるようになっているキャップみたいな物なのですが、おおよそこのナットを前後同じ位稼動できる位置まで締め込んだ状態で弦の負荷が掛かった際真っ直ぐになるようネックを製作します。
じゃあ”同じ調整幅”じゃん!とか思うでしょ?(笑)
そうなんです、ナットだけを見れば順逆同じ調整幅です。
ナットねじ切りの長さを2としましょう。
と言う事は締め込む方向に1、緩める方向に1動きます。
ただしこれはトラスロッドのねじ切りも長さが2の場合です、それなら確かに同じ調整幅です。
真っ直ぐの状態でナットは1のポイントまで締めて有ります、トラスロッドのネジ切りが2であればロッドの先端はナットの中に1入っている状態です。
すると、ナットのネジ切りの余りは1、ロッドのねじ切りの余りも1となります。
この状態であればナットは緩める方向に1動かせ、締め込む方向にも1動かせますので調整幅同じですな。
しかし、ナットのねじ切り長は2でもトラスロッドのねじ切長が3有った場合はどうでしょう?
ナットのねじ切りを同様に締め込む方向に1、緩める方向に1動くところまで締め込みます。
前記のパターンではトラスロッドのねじ切りも2であった為に中に1入ると残りは1でしたが今回はロッドのネジ切長が3ですからナットの中に1入ると残りは2です。
この状態からナット稼動幅目一杯締め込んだ状態でもトラスロッドのネジ切は1余った状態です。
この時点ではナットのネジ切に余りが無い為、トラスロッドのネジ切りが余っていたとしても当然これ以上締め込む事は出来ませんので調整幅は同じとなってしまいます。
でもこの余ったネジ切使わないともったいないので使いたい!
そこで登場するのが”スペーサー”です。
トラスロッドネジ切の径よりも大きい穴が開いたスペーサーを挟むとスペーサーの厚み分ナットが延長されたのと同じ事となりその厚み分更に締め込む事が出来るのです♪
つまり、ナットのネジ切は順1逆1ですがスペーサー1を挟む事によって順2逆1となるのです。
ちなみに逆方向は目一杯緩めると外れてしまう為に延長する事は出来ません。
じゃあはじめからスペーサー入れて順1.5逆1.5で作れば良いじゃんって事もありますが、基本的にスペーサーを挟む事自体飛び道具であり、大切なのは順1逆1でキチンと調整出来るように作る事でしょう。
無理に締め込めば締め込む程木部に掛かる負担が大きくナットが当たる木部が潰れたり割れたりしますので本来であれば出来るだけ負荷を掛けないのが一番ですな。
と言う事で万が一の場合逆反りよりも順反りの方が調製幅が大きい!つまり酷い反り方をしても対処方法があると言う事で反らせるなら順反りに!
と言う事は弦を緩めるか否かの結論は?
1:ネックには弦の張力と同じだけの負荷が張力とは反対方向へ常に掛かっている為に緩める事によって逆反りを起こす危険性が高まる。
2:ネック反りの調製は順反りの方が調製幅が大きく反るなら順反りが有り難い。
3:ソリッドボディーの場合一部例外を除き張力にブリッジやボディーが負けてしまう事は少ない。
4:アコースティックギター等はブリッジが張力に負け破損する危険がある。
5:アコースティックギターは張力によってボディーが負け変形を起こす危険がある。
基本的にはエレキは緩めず!アコギは1音程度緩めると言った感じでしょう。
ただし、楽器によって個体差がありますし、アコギなどはスチール弦を張るにもかかわらずナイロン弦用のブレーシングを採用しているメーカーもあるので様子を見ながら加減して下さいね。
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殆ど!ってか、全く弾かないのに
アダマス、弦を張りっぱなしだ・・・・・・
ちょっと緩めておこうかな???
アダマスはクラシックのブレーシングです(汗)
しかも!ネックが外れるように出来ている為に腰折れを起こし易いですよ!
すぐに緩めましょう。
トップが良い感じに膨らんでますけど・・・・(爆)
慌てて緩めました・・・・
そのトップ変形直らないんですよ(涙)
例えばブレーシングが剥れてトップが盛り上がっている場合。
ブレーシングが剥れる事により強度的に弱くなってトップが張力にで一時的に膨らんでいるだけであり変形ではありません。
その為ブレーシングを貼る事で膨らみが改善される事があります。
もっとも長期間その状態で保管していた為にトップ材の変形を伴っている事が多いのは事実ですが修理でお預かりした時よりも良い状態になる事が多いです。
対して今回のようにはじめからブレーシング強度が低くトップが変形している場合は修正が基本的には出来ません。
トップが膨らんだ状態で上手く付き合って行くしかないのですよ。
修正方法としては膨らみ加減によりますがブリッジサドルを加工して低くする、追いつかない場合はブリッジ表面を削ってブリッジ自体を低くし、さらにサドル溝を深く掘り下げ、尚且つサドル加工して弦高を下げなければなりません。
予算的に余裕があれば仕込み角度を調製し直すと言うのが本来の修理方法ですが楽器自体を完全にばらばらにする必要がある為に費用・予算共に多分ビックリされると思います(笑)
ブリッジ等を削る方法が一般的ではありますがあくまでも”とりあえず使えるように”と言った修理とお考え下さい。
でもアダマスはブリッジ表面に彫刻してあるんだよね・・・削ったら消えちゃうな(汗)
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