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コンバットギターズの日記

コンバットギターズの毎日

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  • 05/01/15:01

ネック反りのアレコレその6!

しっかし今日は涼しいなり!
グッスリ寝られそうだね~明日は日曜だし。

5.jpgさてさて、ネック反りのメカニズム!続き♪
と、まぁ昨日の内容がトラスロッド調整の基本なのですが、これがネックの反りとどう言う関係があるか?

ネックが水分を吸う事により膨張、乾燥する事により収縮。
水分を吸って木部が膨張するということは写真のA・B方向とD・E方向へ木が膨らむと言う事です。

この時!注目するのはa・bの部分とトラスロッドの材質です。
トラスロッドは金属ですから延びたり縮んだりしません!しかし木部はA・B方向へ膨張します。

それではa・b部分の負荷はどうなるでしょう?
b部分はネックに固定されている為にそこを基準と考えて下さい。

するとa部分がA方向に引張られますよね?
aが外に引張られると言う見方はあくまでもトラスロッドが主語でロッドに掛かる負荷であり、見方を変え主語を木部にすると負荷はどうでしょう?

そうです、トラスロッドの長さが変わらない以上木部を主語とするとB方向へaが引張られている事となります。
つまりこれはロッドを締め込んだ時と負荷の掛かり方が同じと言う訳です。

すると、当然C方向への力が発生しますのでネックがE方向へ動きます。

逆に木部が乾燥した場合は木材が縮むのですからロッドで言うところのA方向への力が減ります。
すなわち木部で言うB方向への力が弱くなるので同時にC方向への負荷が減りネックがD方向へ動くのです。

湿度の高い時期に湿気を吸い木部が膨張しネックが逆反り、ロッドを回していなくても木が膨張する事によってC方向への負荷が弦の張力に勝ってしまった状態になる訳です。

そしてそれを修正するべくロッドを緩め張力とロッドの負荷が均衡するまでC方向への負荷を緩める。
これでネックが真っ直ぐになりました、但しこれはあくまでも調整した時点の木の膨張具合で均衡が取れているだけであります。

で、冬のように乾燥した時期!
木部から水分が外へと放出されます。

要するに乾燥するわけですね。

すると木が縮んでしまいます・・・・膨張した状態で張力との均衡が取れる程度の負荷しか掛けていないのですからaがA方向へ引張られる力が弱くなればその負荷分C方向への負荷よりも弦の張力が勝り順反り(たわみ)を起こしてしまうのですよ。

これがネック反りのシステムです♪

まぁこの繰り返しがネック反りでありますので、読んで頂いて解るかと思いますが多湿・乾燥等はどちらでもOK!通年湿度を”一定”に保つ事こそがネック反り防止の真髄と言う訳です!!
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ネック反りのアレコレその5!

いやいや、毎日バタバタしていますな~。
昨日は更新できませんでした(汗)

来週の火曜日に某所で急にギターを弾く事になり、昨日コード譜のFAXが来たのですが・・・・大丈夫だろうか?
土曜の晩と日曜は予定入っているしね・・・・練習しなければ(汗)

と言った所で。

6.jpg昨日はLIVE前の空き時間にうしろから前川君とエロパンサー3世、そしてエレクトリックチェロプレイヤーの斉藤君が遊びに来てくれました~、まぁLIVEまえの調整がてらだけどね。

で、斉藤君のトリオ”B CLUB”のCD”EARTH”とミニたい焼きを貰ったなり!
エレクトリックチェロ、あまり聴きなれないでしょ?(笑)

一度CD聞くべし!
今日、ベースマガジン編集近藤君が打ち合わせで来社したのだがエレクトリックチェロに興味持っていたね♪

7.jpg
で、今日はベースマガジンの取材。
いま、ベースマガジンで僕の連載「作って学ぶ”ベースのしくみ”」の取材ね。

来月は塗装の事なのだがうちのスタッフから熱心に色々と話し聞いていたな。
こっちも宜しくです♪



さて、ネック反りの続き~!

5.jpg木材の伸縮で何故ネックが反るのか?
先ずはロッドの写真どうぞっ!


とまぁこんな感じなのですよ、これが図1。

aとbのアップは前回の使い回し!先ずは上側。

fb522803.jpegこれがa







そんで下側。

2cc9c52f.jpegこれがb







aとbがネックに当たっていますよね?
b部分はネックポケットでボディーに固定されている部分です。

ネックは製作段階でやや逆反りを起こすように製作しています。

でbを締め込むとaが図1のB方向へ引張られます。
するとトラスロッドが湾曲している為に溝に沿ってaが動こうとするのでC方向へ負荷が掛かります。

するとE方向へネックが動く訳です。
つまりB方向へ負荷を掛けた状態が基準となっており、これが弦の張力と均衡しネックが順反り方向へたわんだ時に真っ直ぐになっているのですよ。

で、逆にbを緩めると?

aの部分に掛かっているb方向の負荷が軽くなる為に弦の張力に引張られネックがD方向へと動きます。
つまり逆反り方向(E)へ動かす場合はトラスロッドの負荷により動かしているのですが順反り方向(D)へネックを動かしているのはトラスロッドではなく弦の張力なのです。

bを緩める事によりC方向への負荷が減り張力が勝り順反り方向(D)へネックが動くと言う非常に消極的な構造となっており、これが俗に言う”片効きトラスロッド”であり、最も一般的なロッドの構造であります!

以上でロッドのシステムは解って頂けた?のかな?
ここをご理解して頂いた上でネック反りのメカニズムなのですが時間無くなっちゃった(汗)

今から打ち合わせなので今日はここまででごめんなさい(汗)

ネック反りのアレコレその4

ここ何日か夜寝苦しい事も無く秋めいてきましたな~未だ気が早いのかしら??
今日はコンバット初チャレンジの修理が完了!

なんと!!!傘ですよ傘♪
傘にもやはりビンテージと言う物があるらしく某ショップの依頼で1920年製のヴィンテージアンブレラ柄折れ修理にチャレンジしていたのですね~。

思いの他巧く行ったのですなこれが♪
新境地開拓!!!!木工で修理の出来ない物は無いぞ~。

で、ネック反りのアレコレ第4弾!!!

>wolfeyさん / 適度な硬さ、適度な粘りがネックにも重要なんですね??
その通りです!

>wolfeyさん / 全面塗装のメイプルネック と「水分」が結びつきません!?!?
>ダロさん / 出入りはないと考えるのが自然。。。。

ところがそうではないのですよ。
まず塗装によってネックが本当に完全密閉されているか??

答えはNOです。
例えばナットの溝やフレット溝、ペグ穴、ネックセットのネジ穴、トラスロッドの穴と溝等々未塗装の部分はたくさんあるのですよ。

ロッドの部分なんぞはネックの中心部分にダイレクトですからね~。
四角い溝に円柱のロッドを入れて蓋をしているのですから四隅は隙間だらけですね、テープやチューブを巻いて隙間を埋めるようにはしますが基本四角い穴を丸い蓋で完全密閉は無理です!

それと分子レベルの話になると思うのですが、基本的に水の分子の方がウレタン等よりも大きい為に水は通しません、しかし気化した状態ですとまた違うようですよ、まぁこの辺りはギター屋の私には詳しく解りませんけれどね(笑)

と、まぁ水分が出入りする条件が揃っている事はご理解頂けたと思いますが、この水分の出入りが大問題!
木材は水分を吸う事によって膨張し、抜ける事によって収縮します!

ここで意外にもネック反りの”転ばぬ先の杖”であるはずのトラスロッドが問題なのです!
トラスロッドは金属です!まぁ高温になるまで熱したりすれば膨張等しますが金属が膨張する前に間違い無くネックが燃えます(笑)

つまり湿気を吸おうと乾燥しようと楽器として通常使用する環境下ではロッドに変化は起きません。
しかしっ、木部には変化が起こる訳ですよ。

と言う事でトラスロッドの頭とお尻を見て頂きましょう♪

fb522803.jpegこれが頭の部分!
写真の物はトラスロッド調整が下側の物です。

写真のようにブラウンエッグの中で佇んでいるのですな。
これは1Pネック用のトラスロッドで頭が芯棒よりも2回り程大きくなっており、スリットが入っています。

ネック裏からトラスロッドの溝を掘り、ブラウンエッグの部分からトラスロッドを挿入しネックエンドへとねじ切り部分を入れて行きます。

ブラウンエッグの穴底面にロッドの頭が固定されているのが写真から解ると思います。

で、スカンクストライプと呼ばれるネックグリップの部分にウォルナットで埋め木をしてエンド側でナットにて固定すればロッド挿入完了!

2cc9c52f.jpegナットをを取り付けたネックエンド側の写真はこちら!
ナットの底面がナット取り付け穴底面に密着し固定されているのが解ると思います。

この頭の部分とナットの底面の2つがネック内で穴底面にくっ付いている為にトラスロッドが効くのですよ。


ロッド溝のR、2箇所の底面密着、これがポイントですね。

さてさて、この状態で伸縮しないトラスロッドと木材の膨張や収縮によって起こり得るネック反りのメカニズムとは???

それは明日のお楽しみ(笑)

ネック反りのアレコレその3

ついにお盆休みが終わってしまいましたね~、本日より仕事です!
なんかあっという間に秋になってしまうぞ・・・・はえ~。

まだ”夏だぜぇ~っ”ってな感じのイベントを何もしていないと言うのにこの分じゃ直に年末だわ(汗)

>反り易いのにコア材に使用するには訳があるのです!
>それは”木材の強度”が関係しているのですよ。

そうそう、もっと反り辛い材料あるのに何故反り易いメイプル使うかってところからですよね。

少し前の”保管時に弦を緩めるか否か”での話も関係するのですが冒頭にある”反る”は弦の張力によってネックが撓む(難しい字ですね・・・・変換したら出た)事ではなく水分の出入りによってネックが動くと言う事です。

メイプルは水分の出入りによって動き易い訳です。

で、強度のお話です。
木材の強度表示と言う物は数字で表します、専門書が発売されておりまして様々な材料の強度表示が記載されているのですよ、専門書だけに本屋では売っていませんし値段も目を疑うほど高いです(笑)

その強度表示ですが実は一種類ではないのですよ。
木材には様々な強度表示があり”打撃に対する強さ”とか”引っ張り強度”とか複数あるのです。

で、ネック材に大切な強度と言えば????
文字通り”引っ張り強度”であります、これは張力が掛かった際の反発力ですね、弦の張力に対して(本では当然、弦とは特定されていません)の木材の耐久性であります。

意外にもメイプルが群を抜いて強いのです。
打撃に対する強度、これはもっと硬い木、そう、エボニーやローズ等の方が圧倒的に強いのですがこれはぶつけても凹まないという強度であり張力に対する反発力は硬い=強いでは無いのですよ。

中には燃えないほど高密度で硬い木材もあるのですが張力に対する反発力はメイプルがナンバー1なのです。

また、wolfeyさんの素晴らしいフリ。

>硬すぎて、ロッドの調節が出来にくい物とか!?!?

仰る通りです!
次回以降お話しするロッド調整の仕組みを読んで頂ければ解り易いと思いますが硬い物はロッドの効きがあまり宜しくないのです!

トラスロッド調整の仕組みは非常に原始的な物であり、木材が硬過ぎるとロッドが木の硬さに負けてしまい調整がし辛いのですよ。

木材である以上”変形しない”と言う事は約束できません、楽器は長く使えれば良い訳で反らないように作れないのであれば反った際にキチンと調整が出来るように製作すれば良いのです。

その為には伸縮率が低いと言うだけで"0"では無い調整し辛い程硬い木材を使用するよりも多少伸縮率が高くともロッドの効きが良い程々の硬さの材料を使用した方が良いのです!

で、ダロさんの疑問
>オールローズネックは塗装なしでも反り難いとか。。。。?

メイプルネックと同じ理由での反りはメイプルよりも当然低いです!
但し、弦の張力による変形に関してはメイプルの方がそり辛いのですよ。

グラファイトネックやステンレスネック等は弦の張力で反りますからね。
硬度的には木材よりも遥かに強い筈ですがシッカリと順反りしている物も多いのは事実です。

その位張力と言う物は強いのですよ、ですから硬い木材でも引張り強度が弱いと逆反りは無いものの順反りの危険性が高く、反った場合はロッドの効きが悪いと言う事です。

最後にwolfeyさんの疑問
>重量も関係有るかな????

あるんですね~、まぁこれはキチンとした理由が解っている訳ではないのですが今までの経験からしてボディーとネックのバランスと言う物が有るようですよ。

当然ヘッドが落ちるとかそう言った類の話ではありません。
極端な差異の場合ですが過去に色々作った感じからしてネック&ボディー共に極端に重い場合は◎、どちらか片方が極端に重い場合は×のようです。

基本的に軽いネックはNGでしょう、反り易いですしメイプルと言えども張力に対する強度が良くありません。
何より音に芯が無くなってしまいます。

もちろん組合せは使い方にもよりますので一概には言えませんが例えば両方重い場合は深く歪ませるとかベースでホールクラスにて大音量とかに良いようですし軽いボディーはレコーディング向きとか用途によって色々変わって来る事は事実です!

後は皆さんの使い方と好みのサウンドに合わせた材料を如何に僕らが選ぶか?そこが我々の腕の見せ所でしょう♪

さて、前振り終わって次回は本題ネック反りのメカニズムです♪
今日はここまで~!

ネック反りのアレコレその2

皆さん夏休みいかがお過ごしでしょう?
真っ最中の人も多いのでしょうね~、私も明日から通常業務!

気持ち切り替えて明日から頑張ります♪

で、ネック反りのお話。
wolfeyさんナイスパスですよ(笑)

一番大きな要素ではありませんが仰るように”指板とコア材(メインのネック材以下コア材)の伸縮の差”もネックの反りに関係します。

内容はwolfeyさんのコメントそのままです。
某老舗の”F社”がスラブボード(指板接着面が平らでRが付いている為に指板センターラインが最も指板が厚く全体的に肉厚)からラウンド(接着面にRが付いており指板が均一の厚みであり指板の肉厚が全体的に薄い)に変更したのもコア材と異なる材料の質量を減らす事によって”伸縮の差”の影響を少なくする為ではないかと考えられます。

だって、物凄い合理的な国民性にもかかわらず明らかにラウンド貼りの方が手間なんですよ、何か理由が無ければ絶対に変ですからね。

ネック反りを起こすメインの要素では無いとは言え確実に関係しています!
ちなみに注目すると面白いポイントは塗装無しの指板と塗装有りの指板が存在する事です。

水分の出入りを抑えるには塗装(コーティング)すれば改善される事は解っているのにローズ等は塗装無し、メイプルは塗装有りですよね?

ローズで塗装をしても良い訳ですし、メイプルだって貼りメイプルも有る訳ですからローズ同様塗装無しだって良い訳です、それなのに何故?

実は木材の伸縮率と言う物は種類によって大きく異なるのです。
要は”反り易い木と反り辛い木”があるのですよ。

私の場合木材屋ではありませんから楽器用の材料しか判りませんが、密度の高い木材程動き辛い様ですね。
指板に使うローズやエボニー等は指板用に薄くした材料の状態で保管していてもあまり反ったりしません、ところが密度の低い材料は結構動きます。
81f5edaf.jpeg
バンドソー(ベルト状になっているノコギリが回転する大型の工作機械)で製材しているとカットしている時にノコギリの摩擦熱で木材の水分が蒸発し思いっ切り反ってしまう位です(笑)

で、コア材に良く使用されるハードメイプル!
これは指板材に使用する材料と比較するとスカスカです。

もちろん硬い材料ですし密度だって決して低くは無いのであくまでも”指板材と比較すると”とご理解下さい。
まぁそんな訳でローズやエボニーはそう簡単に反らないので塗装無し、メイプルは反り易いので貼り指板と言えども塗装有りなのです。

”何故、反り易い材料をコア材に???”とか思うでしょ(笑)
うわ~メインである”ロッドと木材の関係”行く前のフリなのに長くなってきましたね(汗)

反り易いのにコア材に使用するには訳があるのです!
それは”木材の強度”が関係しているのですよ。

一応、私も夏休み中なので今日はここまで~(笑)