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保管時に弦を緩めるか否か?4
そうそう、アコギ等は弦を緩めないといかんのです。
まず、フルアコやフォークギターはエレキギターのように無垢の材料ではありません、これは皆さん良くご存知ですよね。
例えばホローボディーのエレキギター、代表として弊社WARMを例に挙げるとセンターブロックが入っている上にトップ材は最も厚い部分で15ミリ!フラットトップでもエレキの場合5ミリ厚位はあり基本センターブロックが入っています。
が、アコギはトップの厚みが2ミリ程度と薄い上、センターブロックは当然無し!
しかも材料がスプルースほか柔らかい材料を使用しているのですよ、これは危険でしょ(汗)
まぁ変形を防ぐ為に”ブレーシング(チカラ木)”と言う細長い木を家の”梁”のようにトップ材やバック材に貼り付けているのですが常に張力が掛かっているとブリッジ付近のトップの変形へと発展するのです。
ブレーシングは剝がれないもののブレーシングごと変形しトップが隆起してしまったり、完全に接着が張力に負けブレーシング剝がれを伴うトップ変形を起こしてします。
トップが隆起した場合は基本的に変形を直す手立てはありません。
剝がれていたブレーシングを接着する事により改善はされるものの”完全に元通り”にはならないのです。
もちろん並行してサドルの高さ調整やブリッジ自体を削って低くしたりと有る程度のプレイヤビリティーを確保する事は可能ですが非常に高くつく修理となってしまいますので注意が必要でしょう。
ちなみにフルアコのトップ変形はフォークギター等とは逆で凹みます。
凹むと言うか平らになるというか・・・。
フルアコの場合は弦をテイルピースに取り付けるためブリッジ部分に関して言えば張力の負荷が掛かるのはテイルピースとなります。
この場合、ボディーエンドに固定されている部分である為にトップよりはかなり強度は上ですから変形に繋がる事は無いのですが問題はアーチドトップの上に置いてあるブリッジ部分で下側(ボディー側)に密着させる負荷が掛かるのです。
サドル部分が支点となっている為に弦によって垂直方向へ押し付ける”力”が発生するのです。
ブレーシングの入れ方等はアコギと異なる物のトップの構造が基本的にアコギと同じですからね。
上からトップにブリッジを押し付ければ薄い木材は変形ちゃうよね。
そしてもう一つ、トップ変形とは別にブリッジ剝がれを起こす危険性もあります。
フォークギターのブリッジの両脇に貝等でインレイが入っている物と入っていない物があるのに気がついた方も居ると思います。
これはもちろん飾りなのですが物によっては飾りの為だけでない事もあるのですな。
実は物によっては”ネジの頭隠し”の為にインレイが入っている物があるのですよ。
まぁ基本はトップにブリッジを接着しているだけなのですが、物によっては補強の為にネジが打ってあるのです。
この手の物は比較的ブリッジ剝がれが起こり辛いのですが、そうでない物!
つまり接着だけで留めている物、これは危険です。
特にネックの仕込み角度の関係でサドルが高め(ブリッジから飛び出している部分が長い物)の物はサドルを前に倒す方向に負荷が掛かっているのでブリッジの後ろ側(後方、お尻って言った方が良いかしら)がボディートップから剝がれて浮いてしまうのです。
平面に接着しているだけじゃあ弱いわな(汗)
しかも!フォークギターの場合ボールエンドが当たる部分には補強の板が貼り付けてありますが、それにしても薄い板なのでノリ的にはボールエンドがトップ材にめり込まないようにと補強をしているだけです。
そのためボールエンドがダイレクトに薄い板に当たっているブリッジ付近は変形率が高く、平面が曲面になる訳ですから更にブリッジ剝がれを促進します!
ブリッジが剝がれたり浮いたりした場合、10本預かったら9本はトップ変形やブレーシング剝がれを伴う修理となります。
未だあるのですよ・・・・こんなの読んだらAG使っている人は皆弦緩めるだろうね(笑)
で、本題。
ブリッジが割れます・・・・。
FG等のブリッジはエボニーとかで作られている事が多いのですよ。
エボニーは硬くて高密度!当然丈夫なのですが反面”粘り”が無いのです、だから簡単に割れちゃうのですよ、”もろい”と言う表現が良いかもね。
あっ、お客様が見えたのでここまで。
保管時に弦を緩めるか否か?3
また”ネックだけを捕らえて”と記載したにも理由があるのです。について~。
弦を張りっぱなしでネック以外のどこに問題が起こるのか???
まぁ弦のテンションが掛かる部分を考えれば答えは割と簡単でしょう。
ズバリ”ブリッジ”なのですよ。
さて、ブリッジ部分に常にテンションが掛かるとどう言った不具合が起こりそうか?
サドル!これは問題起きそうも無いですよね。
じゃあどこか??
それはブリッジのスタッドであります。
シンクロであればブリッジの前側6本のネジ、2点支持物(FRT他)であれば2本のスタッド、T,O,Mもスタッド2本!ベースブリッジやハードテイルはプレート自体をBODYに固定しているので関係無し!
ブリッジの裏側からサドルを支点にしてペグ方向へ弦が張ってあるのでテンションは支点部分に集中、ペグ方向へ倒れるように掛かっています。
ボディーの重量にもよりますが軽い物は木材の密度が低い物も多く木が柔らかいので要注意でしょう。
但し、シンクロの場合はネジ6本に負荷が分散されている為にそれ程神経質にならなくても問題は無いでしょう、極端に軽いASHボディー等で無い限り張りっぱなしでOKだと思います。
ではFRTや他の2点支持物はどうか?
これも極端に軽い材料を除くと言う前提になってしまいますが基本”張りっ放し”でOKです。
シンクロよりも支点の数が少ないですが、最近は”アンカー”を打ち込む物が多いので負荷の掛かる部分が太いので張りっ放しOKです。
続いてT,O,M!
これは今までの中で一番スタッド前傾率が高いです。
代表例としてはLPですが基本的にトップ材が”ハードメイプル”なので材料自体が硬いので本来であれば丈夫なのですが、テールピースからサドルへと斜めに弦が通る為、テンションの掛かる方向が非常に前傾し易い向きへとなっています。
しかも、一部を除き非常に細いスタッドである為負荷が1点に集中するので前傾し易い条件が揃っているのですよ。
基本は張りっぱなしで問題無いですがギター自体が軽い場合、一番注意が必要でしょう。
LP以外でトップ材が柔らかい物の場合心配なので極端に緩めるのではなく半音程度下げるだけでもかなり違います。
と、まぁ基本緩めなくてOKの例を挙げましたが絶対に緩めた方が良い物も有るのですよ。
それは何かと言うとアコースティックギターやフルアコ等なのです!
え~ごめんなさい来客があったのでここまで。
続きは明日書きます!
保管時に弦を緩めるか否か?2
ネックを製作する際はロッドの調整幅が丁度良い位置(順逆共に適度な調整幅を確保出来る位置)までトラスロッドを締め込みその状態を基本とします。
この基本状態はネックに対して逆反り方向に負荷を掛けており、基準は逆反り状態で弦を張ると順反り方向に負荷が掛かる為にネックが真っ直ぐになると言う訳です。
要は弦を張った状態は常に順逆両方向への負荷が均衡を保っていると言う事なのですよ。
と、言う事は弦の張力が順反り方向に掛かっていると言う事が順反りの原因だと仮定すれば常に逆反り方向にも負荷が掛かっている以上、弦を緩める事によって逆反り方向への負荷の方が大きくなり”逆反り”の可能性が高くなってしまうと言う事です。
そんな訳ですから”ネックだけを捕らえて”考えれば”弦は緩めないで保管する”が正解なのです!
ところで、トラスロッドの調整幅に関してですが”同じ調整幅”では無くあえて”順逆共に適度な”と記載した理由があるのですが何故だと思います?(笑)
また”ネックだけを捕らえて”と記載したにも理由があるのです。
この二点に関しては明日かな(笑)
保管時に弦は緩めるか否か?1
この件に関してはショップや本、ネット等で色々な意見が出ていますが皆さんはどうやって保管しています?
緩めているかそれともそのままか?
そもそも何故緩めなければいけないのか?
これはネックに対して”弦の張力が常に掛かっている為に順反りになってしまう”からと言う事だが、果たして本当にそうなのかね?
と、言う事は張力が掛かっていてもネックに問題が起こらなければ緩めなくても良いと言う事ですな。
では実際に張力が掛かる事によってどのような問題が発生するか考えて見ましょう。
まず、張力によって起こるかもしれないネックの反り。
当然力の掛かる方向からして順反り限定じゃ無ければ変ですよね?
でも実際は逆反りも起こします、と言う事は張力は関係無いのではないかと言う疑いが出てきたな。
はやっ。
ネックを製作する際はロッドの調整幅が丁度良い位置(順逆共に適度な調整幅を確保出来る位置)までトラスロッドを締め込みその状態を基本とします。
今、来客があったのでとりあえずここまで!
ギターとベースの正しい保管方法Ⅱ
恐ろしいネーミングの”ケース反り”とは一体????
皆さんimageAをご覧下さい!
いわゆる通常のネック反りです。
順反りと逆反りですね、この様に綺麗にネックが反った場合はトラスロッドで調整が出来る為に大きな問題に発展する事は少ないといって良いでしょう。
ではimageBを見てみましょう。
同じ順逆でも○で囲んでいる部分と赤線部分に注目しましょう!
図では解り易い様に赤線部分を直線としましたが○で囲んだ部分を境目に他の部分と反り方が異なっているでしょ、imageAの様に全体に弓形になるのではなく○部分が折
れ曲がるように変形しているのが解ると思います。
”ケース反り”とはケースにしまって置く事によってimageBのような反り方になってしまう!
この反り方を”ケース反り”と呼んでおります。
では・・・・何故その様な事が・・・・(涙)
原因はハードケース内でのギター固定方法なのです。
多くのハードケースは内部に”枕”と言われるネック置き場のような部分があり、ケースの上蓋と枕でネックを挟み込み中で楽器が動かないように固定しています。
蓋を開けると裏地に弦の跡が付いているのは見た事有りますよね?
つまり、同一ネック上でケース内にて負荷が掛かっている部分とそうでないフリーの部分が出来ているの訳です。
要は負荷が掛かっている部分はネックを平らに押し付けている状態なのですよ。
当然、押し付けられている部分とフリーの部分ではネックの反り方に違いが発生し、その境目で折れるようにネックが反ってしまう事があるのです。
トラスロッドはその構造上”異なる部位毎の調整が不可能”(後日ネック反りのメカニズムを書きます・・・・いつかな~?・・・でも書きます!)となっているのでimageBの様な反り方をしてしまうと最低でもすり合わせ、状態によってはリフレット&指板調整50,000コースになってしまうのです。
エライ高くつくよ~気をつけてね。
さてさて、枕付きのケースと言えばTOPを走っていたHCですな。
これはこれはどう考えても0PTどころか-20PTですよ(笑)
何て言ったって楽器に良くないのじゃあ論外だもんね。
するとSCと剝き出しはどちらも枕が無いので負荷”0”と言う事で引き分けの各々5PT!
トップを走っていたHCは減点-20PTで順位は大きく入れ替わりっ!
【最終獲得ポイント&ランキング】
1位 SC=15PT
2位 剝き出し=5PT
最下位 HC=-5PT
と、言う事はトータル15PT獲得でSC保管が優勝!!!!
おめでと~って誰を祝っているのか解らんが、とりあえずSC保管している方々にお祝いの言葉を送ります♪
まぁ私は傷など気にしませんし除湿剤を入れたり出したりなんぞ間違ってもしないので”手を伸ばして直ぐ弾ける”状態の剝き出しが一押しなのですけれどね(笑)
とりあえずHCでの長期保管だけは止めておきましょう!